作り付けの棚が少なくて収納スペースが足りない。
家具を買えば高いし、今は賃貸だから引っ越しをしてしまうとサイズが合わなくなるかもしれない。
そうすると家の中が片付かない。だけどDIYで収納を作るには不安がある。
そんな方に読んでいただきたい“ラブリコで作る壁面収納”の記事です。
目次
事前準備:ここで80%決まります
思い立ったが吉日!今すぐこのやる気をホームセンターにぶつけるぜ!
と思う気持ちはわかりますが、まずは準備をしましょう。
ホームセンターは非常に広いです。
探すもの、作るものが作っていないと中でウロウロすることになります。(私みたいに)
設計図作成
私は文系出身です。設計図は引いたこともありませんし、絵心もありません。
そんな私が作成した今回の設計図がこちら。
*結局ワイヤーは買いませんでした。瓶の転倒防止に使いたかったんです。
なにこれ…
って思いますよね。
本当は何度も書き直せば徐々にポイントがはっきりしますが、まずは書いてみることが重要です。
では、何を書くのか。
私が作成した棚を例に初心者向けのポイントをまとめます。
- 全体のイメージをまとめる
- 左右の柱はまず確定 → 長い木が二本必要。天井までの高さを測る
- ものを置くための棚は何段作るか→購入する木材・金具の量に影響
- 棚には何を置くつもりか → 棚の高さ・幅が決まる
- 購入するものを決める
- 木材のサイズ、数量は?
- 1×4, 2×4, 1×6, 2×6などの長さ・幅を決めよう
- 材料に無駄は出るけど、初心者は諦めよう
- 例: 100cmをある木材の販売単位とします。その場合、50cm x 2本であれば無駄がないです。しかし、60cm x 2本と設計してしまうと、10cmの違いで100cm x 2本を買う必要がでてきます。計算が大変なので細かいことは諦めましょう。。。
- 木材のサイズ、数量は?
- 買い忘れに注意
- 具体的に製作場面をイメージをすると足りないものが見えることがあります
- 鋸はあるけど、やすりは?
- 塗料はあるけど、ハケは?塗料を入れる容器は?汚れ防止のシートは?
- ネジのサイズ・長さなどは適切?
- 加工・塗装・組み立ての作業スペースはある?
- 具体的に製作場面をイメージをすると足りないものが見えることがあります
いや、わからないから!
そんな声も聞こえそうですが、気をつけるポイントはシンプルです。
そしてとても大事なことがあります。
“初心者は細かいことを諦めよう!!”
書い忘れがあった。
サイズを間違えた。
部材が足りない。
こんなことよくあります。
せっかく作るし、長く使うし、いいものを作りたい!という気持ちはわかりますが、そこは割り切りましょう。
使えればなんでも良い!の精神が本当に大事です。
品質の追求は徐々に、と覚えておきましょう。
作業開始
さて、いよいよ製作に取り掛かります。ワクワクしますね。
買い出し
まずはホームセンターに買い出しです。
最近のホームセンターはDIY作業スペースを併設していることがあり、私は積極的に利用しています。
ホームセンターの利用者であれば道具も無料で貸してくれますので、工具が足りない初心者にありがたいですね。
買い出しで特に重要なことは、キレイな木材を選ぶことです。
皆さんが想像する以上に木材には個体差があります。
工業製品であれば個体差は気にする必要はありませんが、生き物である木材だけはよく注意して選びたいところです。
曲がり、ゆがみ、割れ、節などは後々の工程に影響を及ぼすことがありますので、注意して選びましょう。
例えば、下の写真の木材はこういう形→ ( ) に反っています。
木材の上下をぴったりと合わせると、真ん中には写真のような隙間が空いてしまいます。
次の写真の木は節に穴が空いています。
この場所が切断場所・ネジを打つ場所と重なると使いづらいですね。
また割れがある場合もあります。
写真のように端っこだけではなく、全体に伸びている場合もあります。
こう書くと不安になるかもしれませんが、大事なことは”多少のことを割り切りる精神”です。
完璧な木はありません。
これも木の個性だと思い、影響がないなら無視!という気持ちが重要です。
*私は上記の写真の木材を購入しています
罫書き(けがき)
ホームセンターには木材カットサービスもありますので、ホームセンターに任せるとこの工程は省略可能ですが、私は自分で切ることが好きです。
サイズがあやふやでも自分で調整できますしね。
それに、木材を切る、ネジを打つ、っていかにもDIYっぽくないですか?
今回購入した木材は結構な長さですので、切断前は広めの作業スペースが必要です。
この日はガラガラだったので店員さんに相談してスペースを借りましたが、お隣さんがいる場合はよく気をつけましょう。
さて、木材を準備できたら切断に必要な寸法を罫書きしていきます。
これも初心者には意外と難しいですね。
“100cmの木を25cm x 4本に切り出す”と仮定して、私の過去の失敗をお伝えします。
- 25cm x 4本になるはずが、23cmのもの、26cmのものなどバラツキがでる
- 切断面が垂直ではなくガタガタ
- 切断した木材の片側が床に落ち、木材の端がささくれた
木をまっすぐに正確に切るだけなのに精度を出そうとすると非常に難しい。
“いやいや、適当にやりすぎなんでしょ?”
という声も聞こえそうですが、それも一理あります。
しかし、道具の使いこなしが難しいのも事実なのです。
私が使っていたのはこちら。これらを組み合わせて線を引いていました。(主に定規)
- 直角定規(スコヤ)
- 普通の定規として、90度の線の引き方として使用
- 巻尺(メジャー)
- 長い計測に使用
ただ、メジャーだと端っこに出っ張りがあるので少し浮きますよね。
木材に引っ掛けられる場合は便利ですが、そういうケースはむしろ少ないです。
あとメモリが正確に見えないです。
そうすると、私のような初心者は1mmくらい簡単にずらしてしまいます。
1mmの誤差でも10回重ねれば1cmずれるので、塵(mm)も積もれば山(cm)となります。
そんな私におすすめなのが、こちらの1×4, 2×4専用定規。
自分で購入したアイテムですが、DIY初心者に120%おすすめです。
この定規のすごいところは、作業時間・手間の圧倒的な短縮と精度向上です。
- 木材に引っかかるから、まっすぐな線が簡単にひける
- 木材の中心に線を引きたい、三分割の線を引きたい需要にも一目瞭然
- ネジ穴を開ける位置へのマーキングも一瞬
最初は、定規なんて測ればいいじゃん。と思っていました。
しかし1mmのずれは1cmのずれにつながります。
そしてDIYは意外と時間がかかる!
作業を素早く終えないと夜になっても完成しない、なんてめんどくさい事態もあり得ます。
正確なマーキングが一瞬で終わる、この定規は初心者必須です。
*ノコギリより先に買うことをおすすめするレベルです
切断
思い起こせば1回目のDIY。
私は電動ノコギリ(丸ノコ)にビビり、普通のノコギリで切断をしました。
めっっっちゃ時間がかかり、しかも曲がりました。
それが、今では丸ノコのヘビーユーザーです。
最初は音の大きさに恐怖心がわきましたが、木材をしっかりとおさえ、あとは丸ノコをゆっくりと押し進めるだけ。
気をつければ怖いことは何もありません。
簡単!!キレイ!!断然早い!!
これは使わない理由はありません。
ちなみに、ホームセンターでは上の写真のように机の真ん中に穴が空いた作業台がありました。
最初は意味がわかりませんでしたが、
ここに切りたい部分を合わせ切ると、切った後も木材が落ちません。
もしこれが普通の机で、机の端から木材を飛び出す形で置いていると…
切断完了の寸前で、木材自体の重さで机に乗っていない方の木材が下に落ちます。
当然キレイな切断面にならず、一部がもぎ取られたようにささくれます。
こういう作業机のようなシンプルなものでも、きちんと利用すれば完成度・時短に大きく貢献してくれます。
さて、切断もだいぶ進みましたね。
いざ切り始めると作業自体は短時間です。
今回は途中で刃の長さが足りず 2 x 4が切断できない失敗もありました。
2 x 4のように厚みのある木材を切るときは、十分に丸ノコの刃が出ているか確認しましょう。
刃の長さの調整方法が不安であれば店員さんが教えてくれます。
やすりがけ
非常に時間がかかり地味な工程です。
人によっては飛ばす人もいますが、私は比較的ちゃんとやすりがけをします。
DIY1回目、紙やすりで全部やったときは辛かった…
しかし最近はこの電動ヤスリを使用しています。
吸塵でカスも少なく、市販の紙やすりをそのまま使用できることも気に入っています。
面倒臭いときはベルトサンダーを借りていた時もありましたね。
大型なのでパワフルで研磨が早いです。
こういう機器を利用できることもお店DIYのメリットです。
初心者はすべての面を満遍なくキレイにヤスリがけしてしまうこともありますが、必要のない面はあえて軽くに抑えることも時短になります。
具体的には木を組み合わせる接合部分や、ラブリコをかぶせる面などは不要ですね。
塗装
ここまできたら是非おすすめしたのが塗装です。
WEBでDIYを調べているとたくさんの実例がありますが、意外と塗装をせずに完成としている例が多いです。
個人の好みですので無塗装でも良いのですが、やはり塗装をすると品質がグッとあがります。
ちなみにいつもはワックス系の塗料で塗るのですが、今回はホームセンター内で作業をしたいため水性塗料を使用しました。
塗料は好きなものを選んでOKです。自由にやるのがDIY!間違いなんて存在しません!
ひたすら塗っていきますが水性塗料は注意点があります。
それは、塗料の垂れがムラに繋がる、ということです。
広い範囲を塗るときには、つい大量の塗料をつけてヌリヌリーーーー!!っとやりがちです。
おもて面の見える範囲はあまり問題はありません。
しかし、それをやると気がつかないうちに液が垂れてしまうケースがあります。
下の写真では垂れた液が固まって線ができてしまっています。
こうなるとこの面を塗っても線の跡が残ることがあります。
塗料の詳しい塗り方は塗料ごとに説明が付属しているはずですので、そちらを参照してください。
ちなみに、ニス塗装は表面のギラギラした感じが気になっていたのですが、塗装後に軽くやすりがけをすると木によくなじみ、ワックスと変わらないような質感になりました。
貸し出しの軽トラで持ち帰り
すべての材料が揃ったら、いよいよ組み立ての為に家に持ち帰ります。
普段は車に積めるサイズにおさまるのですが、今回は天井〜床の長い柱がある為どうしても車に積めません。
そこで初めて軽トラックをレンタルしました。
氏名の記載や免許証のコピーの提出で簡単に借りることができます。
私の場合はホームセンターから家に材料を持ち帰り、ホームセンターに軽トラを返却。
その後、自分の車で改めて帰宅という流れでした。
慣れない車の運転ですので余裕をもって行動することが大切です。
*万が一の事故は自己責任で対応する必要があるので注意しましょう
こういった輸送は非常に神経を使うので、どうしても運転したくない人は木材自体を通販で購入し、家に配送をしてもらうのが良いかもしれません。
組み立て
すべての材料が家に揃ったらいよいよ組み立てです。
私は一人で組み立てることを想定していますが、やはり誰か手伝ってくれる人がいると相当効率があがります。
ここでついに今回のメインである”ラブリコ”を使用します。
しかし、購入する際に”微妙だな”と思ったことがあります。
それはパッケージ見本と実際に買う製品の色が一致していない為、完成品のイメージが湧きにくいことです。
面倒臭いと思いますが、メーカーには是非変更をして欲しいですところです。
現在は以下の三種類の色が発売中のようです。
- オフホワイト
- ブロンズ (今回購入したもの)
- ヴィンテージグリーン
おしゃれな箱を開封するとこんな製品が入っています。
箱にピッチリと入っており取り出すのは結構大変でした。
このラブリコをこれから2 x 4にはめていきます。
上下を間違えないように注意してください。
寸法などについて詳しくは同封の説明書に記載があります。
ここから写真が少ないですが、それは余裕がなかったからです笑
柱を立てるのは簡単です。
しかし間の板をどのように水平固定するのか…?
何かちょうどいいサイズの支えがあればベストですが、この作業は一人だと難しいかもしれませんね。
私は結局妻に手伝ってもらいました。
最初はL字金具(矢印部分)で下から固定し、横からネジを打とうと思いマーキングまでしていましたが、結局L字金具だけで固定しています。
ネジが見えない方がデザインもスッキリしますね。
L字金具についても色々なサイズ・値段のものが売っていましたが、私の購入ポイントは三つでした。
- 価格が安い
- 色が黒系で雰囲気にマッチする
- 十分な強度を出せる
そして購入した金具はこちらです。
DIYコーナーには”男前アイアン”などの名称でそれっぽいのが売っているのですが、若干高いんですよね。
今回は棚が6段あり、それぞれに2個の金具を使おうと思うと合計で12個必要です。
1個で500円くらいのものを買ってしまうとそれだけで6,000円程になってしまいます。
これでは高すぎます。そこで今回は1個150円のものを使用しました。
ホームセンターの中でも別コーナーにあったりするのであちこち探してみてください。
*購入した金具は本来下からL字に支える為に使うものではない気もしますが、細かいことはおいておきましょう
安く、機能を満たす。
この精神ががDIYには重要です。
そして形になったのがこちら。
矢印の部分にL字金具が使われています。
組み立ての際に悩んだのですが、左右の柱を立てた後に、何段目から棚をつけるのが正解でしょうか。
私はとりあえず真ん中に一枚板を固定しましたが、ネジを強く締めすぎ他の板が入らなくなりました。
まずは全体を仮止めで形をつくり、最後に一斉に増し締めで固定しましょう。
増し締めが終わった完成系が下の画像です。
もともとあるダイニングテーブルの幅、高さをピチっと合わせているのがこだわりです。
机の延長として物を置きやすいですね。
追加改良
よしこれで完成!と思っていたのですが、早速二点の改良をしています。
電源タップを固定
今までは机の上に電源タップを置いていたのですが、柱にネジで固定しました。
電源自体をもう少しスッキリさせたい、コードをまとめたいなどの要望はまだあるのですが、とりあえず机の上から電源タップが見えなくなりました。
バナナハンガー追加
前からバナナハンガーが欲しかったのですが、これを棚にくっつけてみました。
使用した材料は100均の園芸コーナーで見つけたL字金具と、謎のチェーンです。
その二つをプラスチックの結束バンドでくっつけて棚にネジで固定しています。
バナナを下げるとこんな感じです。
追加200円でサクッと加工をできるのも自作のいいところです。
普通の家具にバナナハンガー作ろうと思うと少し怯みますよね。。。
かかった費用・時間
今回かかった費用と時間のまとめです。
費用
かかった費用は約8,000円です。
んー、安いかと言われるとどうなんでしょうか。
ただ、もし家具屋さんで同程度の家具を購入すればもっと高いかもしれません。
商品 | 数量 | 合計金額 |
---|---|---|
ホワイトウッド 2 x 4 | 2 | ¥1,656 |
ホワイトウッド 1 x 6 | 2 | ¥1,960 |
ラブリコ | 2 | ¥2,160 |
巾広金折黒 (L字金具) | 12 | ¥1,896 |
紙やすり | 1 | ¥30 |
はけ | 1 | ¥98 |
ペール缶(塗料入れ) | 1 | ¥158 |
材料費 合計 | ¥7,958 |
木材の値段より、金具やラブリコの値段が高い印象ですね。
これらを使用しなければ費用はかなり抑えられるでしょう。
時間
今回は設計〜買い出し〜製作〜組み立てで“約10時間”くらいです。
長っ!!!
と思うかもしれませんが、移動時間、乾燥時間なども含みます。
休日1日分というのが目安だと思います。
私はこれまでに何個か小さい家具を作っていますが、初心者であれば休日1日分を見ておけば余裕を持って作業できると思います。
それでもDIYが良い理由
改めて考えてみるとDIYってコスパよくないかもしれません。
それでも何故私がDIYをするのか。
私のようにコスパ病に取り憑かれてDIYへの一歩を踏み出せない方、是非読んでいただきたい記事を書きました。
やっぱりDIYって良いよ!と納得してもらえれば幸いです。